僕の好きな映画監督白石和彌の最新作で古典落語『柳田格之進』を基にして構成されている。
今までの白石和彌作品(『凶悪』『牝猫たち』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』『凪待ち』『ひとよ 一夜』『孤狼の血LEVEL2』『死刑にいたる病』)とは一味違う、〔ニュー白石和彌〕映画=本格時代劇になっているところが実に良い。
碁石の持ち方、打つときの音、張り詰めた緊張感、対局者の棋風等丁寧な演出に感心する。
長屋のオープンセットや萬屋源兵衛の屋敷内の間取りとロウソクの灯りで再現する当時の照明(実に暗い)、草彅剛と斎藤工の殺陣シーンでの音、首を切り落とすカット等はバイオレンスとは異なる〔美学〕がある。
『碁盤斬り』以前の白石和彌は「圧倒的な自由を持って客に刃を向けるような映画」であったが『碁盤斬り』に関しては作り方がまろやか(マイルド)になっている。〔ニュー白石和彌〕映画と言える所以である。
印象に残るシーンは國村隼と草彅剛が賭け囲碁での対局場面の対局者の棋風(大局観、性格、価値観の違い)が草彅と接することによって性格が丸くなっていく過程の妙。
小泉今日子が清原果耶に着物の着付けをしてやり清原果耶の唇に紅を入れてやる場面は漢字の女から平仮名のおんなに変わっていく絶妙なエロチズムを感じる。
役者では國村隼と小泉今日子が儲け役であった。両者芸達者な演技で楽しめたし、草彅剛、中川大志、市村正親、斎藤工、清原果耶が適材適所で良かった。
初めての時代劇で現代劇と異なり、大変なご苦労があったと推察されるが、これを機会に本格的な時代劇に挑戦してもらいたい。
池波正太郎の『剣客商売 暗殺者』シリーズ14作目の特別長編を是非、映画化してください。
みんなの感想
おやじ
ラッチ
碁は全くわからないので、打つシーンを
観ても⁇でしたが、静かに流れて行く
物語、やはり草彅剛の圧倒的な演技力に
引き込まれていきました。
心の中で静かに拍手をおくりました。
K.E
古い時代劇ファンから見れば、STORYに捻りが無い様にも思えるケド、白石和彌監督が、バッドENDを好まないんですね…個人的には大好きなラストです!
僕の好きな映画監督白石和彌の最新作で古典落語『柳田格之進』を基にして構成されている。
今までの白石和彌作品(『凶悪』『牝猫たち』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』『凪待ち』『ひとよ 一夜』『孤狼の血LEVEL2』『死刑にいたる病』)とは一味違う、〔ニュー白石和彌〕映画=本格時代劇になっているところが実に良い。
碁石の持ち方、打つときの音、張り詰めた緊張感、対局者の棋風等丁寧な演出に感心する。
長屋のオープンセットや萬屋源兵衛の屋敷内の間取りとロウソクの灯りで再現する当時の照明(実に暗い)、草彅剛と斎藤工の殺陣シーンでの音、首を切り落とすカット等はバイオレンスとは異なる〔美学〕がある。
『碁盤斬り』以前の白石和彌は「圧倒的な自由を持って客に刃を向けるような映画」であったが『碁盤斬り』に関しては作り方がまろやか(マイルド)になっている。〔ニュー白石和彌〕映画と言える所以である。
印象に残るシーンは國村隼と草彅剛が賭け囲碁での対局場面の対局者の棋風(大局観、性格、価値観の違い)が草彅と接することによって性格が丸くなっていく過程の妙。
小泉今日子が清原果耶に着物の着付けをしてやり清原果耶の唇に紅を入れてやる場面は漢字の女から平仮名のおんなに変わっていく絶妙なエロチズムを感じる。
役者では國村隼と小泉今日子が儲け役であった。両者芸達者な演技で楽しめたし、草彅剛、中川大志、市村正親、斎藤工、清原果耶が適材適所で良かった。
初めての時代劇で現代劇と異なり、大変なご苦労があったと推察されるが、これを機会に本格的な時代劇に挑戦してもらいたい。
池波正太郎の『剣客商売 暗殺者』シリーズ14作目の特別長編を是非、映画化してください。
碁は全くわからないので、打つシーンを
観ても⁇でしたが、静かに流れて行く
物語、やはり草彅剛の圧倒的な演技力に
引き込まれていきました。
心の中で静かに拍手をおくりました。
古い時代劇ファンから見れば、STORYに捻りが無い様にも思えるケド、白石和彌監督が、バッドENDを好まないんですね…個人的には大好きなラストです!
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除何かとても良かった。
穏やかな表情で碁を打つ草彅さん。
妻の死の真相を知り復讐をつのらす表情の様。盗みを疑われ約束を果たそうとする草彅さんの顔とは裏腹に私は少し笑ってしまった。が碁盤が…。
斎藤工さんとの場面は息を飲むほどに凄かった。後半は良い場面が詰まりに詰まっていました。キャストさん皆々様Good。
重厚感のある時代劇です。
浪人とはいえども、疑われただけでも
死を選ばなければならない、
口にした事は守らなければならない。
侍のカッコ良さだけでは無い、
誇り高い身分である事か再認識する
作品。良かったです。
ただ、最後庇い合う丁稚と主人。
何故そこに事の発端である番頭が
出てこない?
今回は久々に映画鑑賞でしたが映画タイトルにある碁盤斬りから見るまではどのようなストーリーなのか不明の上での鑑賞だったのですが歴史物が好きな当方としては主役の草彅剛さんの静のイメージから役柄に入った時の演技の幅広さを感じました。中でも迫力ある目力と迫力の声が、スクリーンに響き渡る、まさに映画館で見なければ共感できないものと痛感しました。
やはり、歴史映画は見る価値倍増です。
懐かしい台詞が出てきて新鮮でした。武士に二言はない、武士の情け。こういう台詞が聴きたかった。時代劇、いいなぁ。
「清廉潔癖」な武士の生き方!実は、自分だけではなく、他人をも苦しめている。気がつくと周りに誰もいなくなる。現代にもありそうなお話し!