典型的な〔作家主義〕の映画である。しかも非常にレベルが高く覚悟のいる映画でもある。筒井康隆の原作は未読である。
モノクロ映像をもちいて古い日本家屋の間取りを優しい光で丁寧に描いている。小津安二郎の世界を思わせる出だしであると同時に、朝起きて、ご飯を炊き、魚を焼いて朝食そして歯を磨き、珈琲ミルで豆を挽きドリップで入れて飲む。『PERFECT DATS』の役所広司が演じた主人公の様に日常生活のルーティンが確立されている。
元大学教授でフランス文学が専門で、日々 パソコンのキーボードを叩いて依頼された仕事をこなして生活している。妻には先だたれ、子どももいない 孤独そのものの生活をしているが、仲間と酒を飲んだりと息抜きを楽しみながら77歳の生活を延々と過ごしている。
物語は夏から始まり秋、冬と進んで春で終わる。何故、春から始まらないのか?と疑問を感じたが、ラストシーンでその理由が理解できた。見事な映像文学と言える。長塚京三が好演、瀧内公美、河合優実も良し。吉田大八の脚本も良し。
老いて死を感じて其処から眼に見えない恐怖と怯え、そして異常行動=敵。冬のシーンから春のシーンに入っていく、絶妙味な演出とセリフ、ラストの謎めいたカット。
しかし、僕には〔敷居が高すぎる〕。頭では理解できても、映画的感覚として感情移入ができなかった。
吉田大八監督 ごめんなさい。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除典型的な〔作家主義〕の映画である。しかも非常にレベルが高く覚悟のいる映画でもある。筒井康隆の原作は未読である。
モノクロ映像をもちいて古い日本家屋の間取りを優しい光で丁寧に描いている。小津安二郎の世界を思わせる出だしであると同時に、朝起きて、ご飯を炊き、魚を焼いて朝食そして歯を磨き、珈琲ミルで豆を挽きドリップで入れて飲む。『PERFECT DATS』の役所広司が演じた主人公の様に日常生活のルーティンが確立されている。
元大学教授でフランス文学が専門で、日々 パソコンのキーボードを叩いて依頼された仕事をこなして生活している。妻には先だたれ、子どももいない 孤独そのものの生活をしているが、仲間と酒を飲んだりと息抜きを楽しみながら77歳の生活を延々と過ごしている。
物語は夏から始まり秋、冬と進んで春で終わる。何故、春から始まらないのか?と疑問を感じたが、ラストシーンでその理由が理解できた。見事な映像文学と言える。長塚京三が好演、瀧内公美、河合優実も良し。吉田大八の脚本も良し。
老いて死を感じて其処から眼に見えない恐怖と怯え、そして異常行動=敵。冬のシーンから春のシーンに入っていく、絶妙味な演出とセリフ、ラストの謎めいたカット。
しかし、僕には〔敷居が高すぎる〕。頭では理解できても、映画的感覚として感情移入ができなかった。
吉田大八監督 ごめんなさい。