2020/11/06
<第1部>昭和7年4月、仙台連隊。宮城啓介が隊長をつとめる中隊の初年兵・溝口が脱走し銃殺刑に処された。遺体を届けに向かった宮城は、香典を溝口の姉・薫に差し出した。この事件は、当時の日本の状況を象徴したもので、経済恐慌と凶作が重なり庶民は苦しみに喘いでいた。これを改革すべく一部の海軍将校と陸軍士官候補生らが決起した。世に謂う五・一五事件である。クーデターは失敗に終わり、この影響は仙台連隊へも及び、宮城は朝鮮国境守備隊へと転任を命じられた。朝鮮に赴任して間もなく薫に再会した。そんな中、宮城は偶然にも上官が軍事物資の横流しを行っている現場を目撃するのだった。この事実を公にしようとした矢先、薫が自殺を図ったとの知らせが入る。不正を正すか、薫を助けるか懊悩するが、薫を助ける道を選ぶ。この事件を契機に宮城の憂国の情はいっそう激しいものになっていった。
<第2部>昭和10年10月、東京。宮城は第一連隊に配属され、薫と居を構えていた。よそ目には幸福な夫婦と映る二人であったが、まだ男と女の関係はなかった。そんな中、宮城を密偵する一人の男がいた。憲兵隊の島謙太郎だった。それは、宮城の家に多くの皇道派の青年将校が訪れることが起因していた。ある日、宮城は恩師であり皇道派の長老格でもある神崎中佐が住まう鳥取を訪れた。だが、この訪問が意外な方向へと事を運ばせることになった。宮城が決行を決意していた軍務局長暗殺を、神崎が単身で実行したからであった。この事件に青年将校は色めき立ち、宮城は憲兵に呼び出され毒入りの茶を飲まされるものの、一命を取り留める。遂に昭和維新への機運は一気に 高まることとなった。決起の日が決まり宮城は実家へ帰り、父にそれとなく薫のことを頼んだ。そして、その夜初めて薫を抱いたのだった。決起の日、時に昭和11年2月25日。夜半から降り始めた雪は止むことなく降り続けていた。
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