最後のエンドロール10分間に意味はない!
最後まで観ていた私を含む観客は馬鹿したいですね。
作品は、まあまあですね。
2024/04/05
高級リゾート地として知られる孤島を訪れたスランプ中の作家ジェームズは、裕福な資産家の娘である妻のエムとともに、ここでバカンスを楽しみながら新たな作品のインスピレーションを得ようと考えていた。ある日、彼の小説の大ファンだという女性ガビに話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をすることに。意気投合した彼らは、観光客は行かないようにと警告されていた敷地外へとドライブに出かける。それが悪夢の始まりになるとは知らずに……。
アレクサンダー・スカルスガルド / ミア・ゴス / クレオパトラ・コールマン / トーマス・クレッチマン / ジャリル・レスペール
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この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除最後のエンドロール10分間に意味はない!
最後まで観ていた私を含む観客は馬鹿したいですね。
作品は、まあまあですね。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除ささいな犯罪でも死刑になるが、金さえ払えばクローンにすべての罪を背負わせて自らは無罪となる世界は上級国民のみが好き放題できる島の社会はディストピアそのもの。
貧しい現地人は金持ちの外国人になにをされても真の意味での報復や責任を取らせる事ができないのだ!
まずはこの世界設定に心を揺さぶられた。
自分に生き写しのクローンの処刑を本人が見つめる構図はグロテスクかつシュールであり、二度三度と繰り返されるうちに楽しささえ覚える姿は目を背けたくなる人間の醜悪さを見せつけられた気持ちに。
作家としてスランプ状態の劣等感や弱みにつけ込みジェームズの心と体を支配するガビとの愛欲や処刑ショーが続くうちに感情のタガが外れて狂気をまとって猛スピードで堕ちてゆくジェームズの姿に破滅の追体験をさせらること必至。
精神の錯乱や陶酔感を表す視覚表現などは実にサイケデリック。脳を刺激する独特の映像は一見の価値あり。
そして様々な解釈ができそうなあのラストシーンはともすれば主人公が見た白昼夢にも思える無常感が。
富裕層に対する風刺や批判、自戒をうながすテーマも込められているのではと思わされた。
これは非凡な逸品。
観てください!