津軽塗を主軸としたある家族のストーリー。おっとりした主人公の美也子目線で話が進むためか終始おだやかな時の流れを感じさせました。家族の在り方や伝統工芸の現状など重くなりがちなテーマをさらっと表現されていてよりリアルに感じました。繰り返し見たくなる良質な作品だと思います。ただ上映時間がもう少し見やすい時間帯にあればいいのになとそこが残念です。
舞台挨拶では興味深いお話が聞けてとても良かったです。
2023/09/01
青木家は津軽塗職人の父・清史郎と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子の二人暮らし。家族より仕事を優先し続けた清史郎に母は愛想を尽かせて出ていき、家業を継がないと決めた兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいことを堂々と言えず、不器用な清史郎は津軽塗で生きていくことは簡単じゃないと美也子を突き放す。それでも周囲の反対を押し切る美也子。その挑戦が、バラバラになった家族の気持ちを動かしていく――。
堀田真由 / 坂東龍汰 / 宮田俊哉 / 片岡礼子 / 酒向芳 / 松金よね子 / 篠井英介 / 鈴木正幸 / ジョナゴールド / 王林 / 木野花 / 坂本長利/小林薫
(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会
津軽塗を主軸としたある家族のストーリー。おっとりした主人公の美也子目線で話が進むためか終始おだやかな時の流れを感じさせました。家族の在り方や伝統工芸の現状など重くなりがちなテーマをさらっと表現されていてよりリアルに感じました。繰り返し見たくなる良質な作品だと思います。ただ上映時間がもう少し見やすい時間帯にあればいいのになとそこが残念です。
舞台挨拶では興味深いお話が聞けてとても良かったです。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除“真っ直ぐで不器用な心と行動がいつも感動を呼ぶ。”
正統派の純愛物語に久々に出会った。但し、この純愛は成就せず、その愛のエネルギーはお仕事へと向かっていく。
津軽塗りの激しい美しさと、弘前の町の静かで豊かな自然が対照的で驚いた。動と静のエネルギーのバランスの美しさ。
そへは、不器用で静かな主人公、美也子(堀田真由)が、とんでもない大胆な仕事を1人でやり遂げてしまうのと同じ。秘めたるエネルギーと、とんでもない行動力のバランスの美しさだ。
伝統工芸を受け継ぐ職人親子の物語だが、実は、不器用で本音を言えない、どこにでもいる家族の物語だ。
典型的な職人肌だが祖父ほどの才能は無く、妻にも逃げられ他、父、清志郎(小林薫)に反発して美容院になり、家を出た兄、ユウ(坂東龍汰)。
きちんと就職せず、パートと父の工房の仕事を掛け持ちする妹、美也子。密かに思いを寄せる、花屋の店員、鈴木尚人(宮田俊哉)といい感じになるのかと思いきや、まさかのライバルがいて、超ショックな失恋。
そのショックを、漆職人として生きていく決断をするエネルギーに変えていく美也子。
美也子の正のエネルギーに、家族が皆影響されて再生していく、とても後味の良いエンディング。
ただ、本作品ても、お決まりの同性愛か出てくるのは何故か?
自分らしく生きる事の象徴として使うなら、ほかの方法がいくらでもあるはずだが。
それだけが引っかかってしまった。