前作『万引き家族』から約1年振りの新作である。しかも、日本映画としてではなく日仏共同作品として公開される、是枝裕和作品である。よって映画を見る前の〔期待度〕は非常に大きくならざるを得ない。
そして、カトリーヌ・ドヌーヴが出演するという事であればズバ抜けた秀作になると考えてしまうが、結果は見事に裏切られたというのが正直な感想である。
過去の是枝作品は、日本という社会風土の中でテーマとしている〔家族〕のあり方を捉えて多くの人から支持(理解)されたと僕は考えているが、フランス社会の中で年老いた大女優(カトリーヌ・ドヌーヴ)の自伝『真実』をめぐっての物語が展開される本作品は、登場人物誰一人に感情移入することが出来ない。映画の撮影の舞台裏は興味深く見ることが出来たが(フランソワ・トリュフオー『アメリカの夜』を思い出しました)フランスの下町ではなく、庶民とかけ離れた上流階級の母と娘の関係を綴っても住んでいる世界が違うので僕にはピンときませんでした。(『そして父になる』『海街diary』『海よりもさらに深く』『三度目の殺人』『万引き家族』はピンときましたが……)
カトリーヌ・ドヌーヴは今年76歳とのことで演技を含めて見る影もなかったです(『シェルブールの雨傘』『昼顔』『悲しみのトリスターナ』の頃の面影がどこになかった)
見る人それぞれ〔価値観〕が異なって当然ですが、個人的には今年見た映画の中で最低のデキと言わざるを得ません。ゴメンナサイ。


最初から最後まで、何が言いたいのかという感じで、クライマックスシーンもなく面白くなかった。是枝監督の作品で楽しみにしていましたが、がっかりした思いです。

悪評ある中。私はとっても良かったです。
是枝ワールドに誘われてすっかりマジックにかかってしまい、あっという間の2時間でした。なんと言っても圧巻の演技、いや演技という以前に存在感?カトリーヌそのまんまなんじゃないかと思う位 違和感のない役柄でしたね。大女優が故の 抱えなければならない「もの」アクターとは、演じる人のこと……もちろん俳優じゃなくても、意外と皆 演じながら生きてるじゃないですかね?職場や家族や友人の前 全ての場所で素のままでいること自体 おかしいですもん。もちろん、赤ちゃんは泣きたい時泣いて、眠りたい時眠るのは当然…でも成長する事に少しずつ「演じる」術を少しずつ習得してしまう。気づかないうちに……ま、稀に出来ない人もいるのかな。「真実」って文字や言葉にして表せないもので、きっともっと奥の方に刻み込まれていて、感じ取るものなのかもしれないなと思いました。
なんだか、涙が溢れました。すごくカッコよかったです。凛としていて、素敵でした。映画の感じ方って人それぞれだから、いろいろと違う感想を持って良いと思います。ただ、観てもないのに他人の感想だけで「愚作」と決めつけないで…。

前作『万引き家族』から約1年振りの新作である。しかも、日本映画としてではなく日仏共同作品として公開される、是枝裕和作品である。よって映画を見る前の〔期待度〕は非常に大きくならざるを得ない。
そして、カトリーヌ・ドヌーヴが出演するという事であればズバ抜けた秀作になると考えてしまうが、結果は見事に裏切られたというのが正直な感想である。
過去の是枝作品は、日本という社会風土の中でテーマとしている〔家族〕のあり方を捉えて多くの人から支持(理解)されたと僕は考えているが、フランス社会の中で年老いた大女優(カトリーヌ・ドヌーヴ)の自伝『真実』をめぐっての物語が展開される本作品は、登場人物誰一人に感情移入することが出来ない。映画の撮影の舞台裏は興味深く見ることが出来たが(フランソワ・トリュフオー『アメリカの夜』を思い出しました)フランスの下町ではなく、庶民とかけ離れた上流階級の母と娘の関係を綴っても住んでいる世界が違うので僕にはピンときませんでした。(『そして父になる』『海街diary』『海よりもさらに深く』『三度目の殺人』『万引き家族』はピンときましたが……)
カトリーヌ・ドヌーヴは今年76歳とのことで演技を含めて見る影もなかったです(『シェルブールの雨傘』『昼顔』『悲しみのトリスターナ』の頃の面影がどこになかった)
見る人それぞれ〔価値観〕が異なって当然ですが、個人的には今年見た映画の中で最低のデキと言わざるを得ません。ゴメンナサイ。
最初から最後まで、何が言いたいのかという感じで、クライマックスシーンもなく面白くなかった。是枝監督の作品で楽しみにしていましたが、がっかりした思いです。
悪評ある中。私はとっても良かったです。
是枝ワールドに誘われてすっかりマジックにかかってしまい、あっという間の2時間でした。なんと言っても圧巻の演技、いや演技という以前に存在感?カトリーヌそのまんまなんじゃないかと思う位 違和感のない役柄でしたね。大女優が故の 抱えなければならない「もの」アクターとは、演じる人のこと……もちろん俳優じゃなくても、意外と皆 演じながら生きてるじゃないですかね?職場や家族や友人の前 全ての場所で素のままでいること自体 おかしいですもん。もちろん、赤ちゃんは泣きたい時泣いて、眠りたい時眠るのは当然…でも成長する事に少しずつ「演じる」術を少しずつ習得してしまう。気づかないうちに……ま、稀に出来ない人もいるのかな。「真実」って文字や言葉にして表せないもので、きっともっと奥の方に刻み込まれていて、感じ取るものなのかもしれないなと思いました。
なんだか、涙が溢れました。すごくカッコよかったです。凛としていて、素敵でした。映画の感じ方って人それぞれだから、いろいろと違う感想を持って良いと思います。ただ、観てもないのに他人の感想だけで「愚作」と決めつけないで…。