〝血〟ってなんなんでしょうね。
見えない何かに怯えて生きる男、胸が締め付けられる思いでした。
のんびりとした山での家族との生活が男を変えたのか、あるいはそんなものはただの妄想なのか…。
この男は彼の家族の心に〝彼〟としてちゃんと息づいていました。〝血〟なんて関係なく。


『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督作品なので楽しみにしていた映画である。
平凡な日常生活の中で過去を断ち切り幸せをつかむ里枝(安藤サクラ) 誰が見ても幸福に見える家族が夫(窪田正孝)の不慮の事故死を境にして、夫が別人であることが判明する。
夫は何者なのか? いい人なのか? 悪い人なのか? どんな過去があるのか?
依頼を受けた弁護士(妻夫木聡)が謎を解き明かしていく。
寒色系の映像表現を駆使して夫の過去が薄皮を剥がす様に分かってくる。その過程の中で、明らかになってくる現代社会の断面図を切り取った歪があぶりだしのようにテーマとして浮かび上がってくる。
安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡が好演。

〝血〟ってなんなんでしょうね。
見えない何かに怯えて生きる男、胸が締め付けられる思いでした。
のんびりとした山での家族との生活が男を変えたのか、あるいはそんなものはただの妄想なのか…。
この男は彼の家族の心に〝彼〟としてちゃんと息づいていました。〝血〟なんて関係なく。
『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督作品なので楽しみにしていた映画である。
平凡な日常生活の中で過去を断ち切り幸せをつかむ里枝(安藤サクラ) 誰が見ても幸福に見える家族が夫(窪田正孝)の不慮の事故死を境にして、夫が別人であることが判明する。
夫は何者なのか? いい人なのか? 悪い人なのか? どんな過去があるのか?
依頼を受けた弁護士(妻夫木聡)が謎を解き明かしていく。
寒色系の映像表現を駆使して夫の過去が薄皮を剥がす様に分かってくる。その過程の中で、明らかになってくる現代社会の断面図を切り取った歪があぶりだしのようにテーマとして浮かび上がってくる。
安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡が好演。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除登場人物を通して「自分とは何か?」「幸せとは何か?」を問う作品だと思った。
他人から見れば羨ましく思う人生も当事者にとっては自分の存在や境遇などで苦しむこともある。自分という鎧を脱ぎ捨て新しく別人として人生を送ることは当事者にとっては幸せなことなのかもしれない。
加えて、出演している豪華俳優陣の芝居はもちろんのこと、演出が特に素晴らしい。
終盤で意味が分かる冒頭の絵画、城戸とある人物が接見した後の演出、そして最後の…挙げればキリがない。
期待通りに面白味のある素晴らしい作品でした。私好みの、自然体でナチュラルな演技をされる俳優さん、女優さん揃いのキャスティングもすごく良かったです!その中でも小籔さんの演技は、素っぽくて素晴らしかったです!