ご当地映画であり平日にもかかわらず賑わっていた。
小泉堯史監督の映画は『蜩ノ記』以来であり、安定感のある映画を創る人という印象があり、〔黒沢組〕と呼ばれているだけあって、本格正統派時代劇を創れる数少ない監督である。今回も厚みのある映像と云い、セリフも時代劇にふさわしい節回しになっているので好感が持てるのであるが………しかし、過去の小泉堯史監督作品『雨あがる』『蜩ノ記』と比較すると物足りなさを覚える。
坂本竜馬(1836年~1867年31歳没)がメジャー級の歴史上の人物とすれば河井継之助(1827年~1868年 41歳没)はマイナー級で知名度は低い。司馬遼太郎の作品系列では〔竜馬がゆく〕の後に書いたのが〔峠〕である。原作を読んだ後で初めて分かったし、同時代を駆け抜けた歴史上の人物であるが全く好対照である。
坂本は〔自由人〕で河井は〔越後長岡藩〕に縛られている。
「峠」(新潮社文庫)で上、中、下、の全三冊でページ数にして1,500ページ以上ある長編小説である。18年程前に読んだ原作をこの機会に読み直しました。
映画化するにあたっては大政奉還から始まるので小説の(下)にあたるところから始まる。
薩長連合軍対越後長岡藩の北越戊辰戦争が見どころの一つとなるが、榎峠の戦いと長岡城の攻防戦のみで長すぎるし、継之助の人間像(原理主義者)に焦点を当ててもらいたかった。
原作では継之助は〔とび色の目〕をしており、長岡藩を〔独立王国〕にしたいと考えており、何かをするという事は、何かに害を与えると悩むし、薩長が勝とうが、徳川が勝とうがいずれが勝っても侍は滅びると考えている。
雪深い越後長岡藩は牧野家7万4千石の城下町であり、雪国で生まれ育った河井継之助は否応なしにも徳川譜代藩士として時代のうねりの中で武士道を貫き、身を滅ぼすことになる。
ラストのカット(古今和歌集)は原作にはなく小泉堯史監督の気持ちの表れと解釈してよいのか?
形こそ 深山がくれの 朽木なれ 心は花に なさばなりなむ
意味……私はみかけこそ山奥に隠れた朽ち木ですがね。
けれども、心にはきれいな花を咲かそうと思えば
咲かせられますよ。
※作者の姿を軽蔑されたので読んだ歌とのこと。(名歌鑑賞のブログより引用)
今回はご当地映画なので不満あり あったらいいなというシーン
① 長岡藩士加藤一作(実在した人物)のエピソードを入れてもらいたかった(峠 下巻 216
~220頁) 入れることによって継之助の人間像が垣間見れるし、加藤一作の考え方に共感を覚える。(長岡で最初に牛肉屋を開いたユニークな人)
② 原作には登場しないが〔ふるさと長岡のあゆみ〕に記載されている槍の達人伊東道右衛門の戦国時代の鎧を身にまとって戦い銃で撃ち殺されたと言われている老武士の死にざまも描いてもらいたかった。
③ 越後の雪、田、信濃川を行き来している川船などを映像でとらえて長岡の風土と人々の暮らしを何カットか入れてもらいたかった。
④長岡藩の旗 〔五段はしご〕の由来。
わがまま盛りだくさんですいません。
みんなの感想
おやじ
きんちやん
期待ハスレ。残念です❗️
アルトケン
役所広司さんの劇中での躍動ぶりが凄かったです!
ご当地映画であり平日にもかかわらず賑わっていた。
小泉堯史監督の映画は『蜩ノ記』以来であり、安定感のある映画を創る人という印象があり、〔黒沢組〕と呼ばれているだけあって、本格正統派時代劇を創れる数少ない監督である。今回も厚みのある映像と云い、セリフも時代劇にふさわしい節回しになっているので好感が持てるのであるが………しかし、過去の小泉堯史監督作品『雨あがる』『蜩ノ記』と比較すると物足りなさを覚える。
坂本竜馬(1836年~1867年31歳没)がメジャー級の歴史上の人物とすれば河井継之助(1827年~1868年 41歳没)はマイナー級で知名度は低い。司馬遼太郎の作品系列では〔竜馬がゆく〕の後に書いたのが〔峠〕である。原作を読んだ後で初めて分かったし、同時代を駆け抜けた歴史上の人物であるが全く好対照である。
坂本は〔自由人〕で河井は〔越後長岡藩〕に縛られている。
「峠」(新潮社文庫)で上、中、下、の全三冊でページ数にして1,500ページ以上ある長編小説である。18年程前に読んだ原作をこの機会に読み直しました。
映画化するにあたっては大政奉還から始まるので小説の(下)にあたるところから始まる。
薩長連合軍対越後長岡藩の北越戊辰戦争が見どころの一つとなるが、榎峠の戦いと長岡城の攻防戦のみで長すぎるし、継之助の人間像(原理主義者)に焦点を当ててもらいたかった。
原作では継之助は〔とび色の目〕をしており、長岡藩を〔独立王国〕にしたいと考えており、何かをするという事は、何かに害を与えると悩むし、薩長が勝とうが、徳川が勝とうがいずれが勝っても侍は滅びると考えている。
雪深い越後長岡藩は牧野家7万4千石の城下町であり、雪国で生まれ育った河井継之助は否応なしにも徳川譜代藩士として時代のうねりの中で武士道を貫き、身を滅ぼすことになる。
ラストのカット(古今和歌集)は原作にはなく小泉堯史監督の気持ちの表れと解釈してよいのか?
形こそ 深山がくれの 朽木なれ 心は花に なさばなりなむ
意味……私はみかけこそ山奥に隠れた朽ち木ですがね。
けれども、心にはきれいな花を咲かそうと思えば
咲かせられますよ。
※作者の姿を軽蔑されたので読んだ歌とのこと。(名歌鑑賞のブログより引用)
今回はご当地映画なので不満あり あったらいいなというシーン
① 長岡藩士加藤一作(実在した人物)のエピソードを入れてもらいたかった(峠 下巻 216
~220頁) 入れることによって継之助の人間像が垣間見れるし、加藤一作の考え方に共感を覚える。(長岡で最初に牛肉屋を開いたユニークな人)
② 原作には登場しないが〔ふるさと長岡のあゆみ〕に記載されている槍の達人伊東道右衛門の戦国時代の鎧を身にまとって戦い銃で撃ち殺されたと言われている老武士の死にざまも描いてもらいたかった。
③ 越後の雪、田、信濃川を行き来している川船などを映像でとらえて長岡の風土と人々の暮らしを何カットか入れてもらいたかった。
④長岡藩の旗 〔五段はしご〕の由来。
わがまま盛りだくさんですいません。
期待ハスレ。残念です❗️
役所広司さんの劇中での躍動ぶりが凄かったです!
うーん どうかな〜
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除ちょっと期待し過ぎました。盛り上がりは特になく、これを見て自分で生き方を考えるのに活かそうと思いました。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除自分の国を守る、武士道が素晴らしく感動した。異見に振り回されない、信念を貫き通す姿に魂が震えた。時代劇映画にふれ気持ちがリセットされた。