1976年に制作されたオカルト映画の名作『オーメン』の前日譚となるお話。
体のどこかに666の痣がある、あまりにも有名な悪魔の子ダミアンの誕生秘話が描かれます。
正直あれやそれらの後づけ設定とか二次創作感が否めなかったです。
オリジナル版のような正統派オカルト・ホラーというよりかは『死霊館のシスター』のような教会ものというか尼僧ものホラーの印象を抱きました。
『オーメン』にはいくつか続編や派生作品が存在しますが、どれもオリジナル版を超えるものはなく、今作もそのひとつといった感じ。
70年代のローマの街並みの雰囲気、明るく柔らかな陽光が降り注ぐ平和な場面や厳かで神聖な教会の描写。そんな世界とは対象的な邪悪な存在が実に印象的。

「人々を支配するのは信仰ではなく恐怖」
「失墜した権威を回復するため新たな驚異が必用」

ややネタバレになってしまいますが悪魔そのものよりも人の方が恐ろしい的な内容。
神は実在しませんが神の名の下に多くの人々を拷問にかけ、虐殺していたのはキリスト教徒であり、現在(70年代ですが)でもその思想は変わっていないという、キリスト教に対してかなり批判的な部分を感じました。
駄作とは言いませんがかと言って傑作や名作とも言えない凡庸な作品ですが主演女優が美人なのでそれ目当てに観てみるのもありですね。