周囲の人間との距離感や愛憎、恩讐、トラウマを克服する過程が丁寧に描かれていて感度した。
襷掛けになった人間関係が、固定観念でガチガチになって未来が見えなかった人生からの解放と、不確実で意外な未来のなかには、恐怖や絶望以外に幸せも起こり得ることが示されて爽快だった。
2024/09/27
幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。
担任の思惑によって、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰も乗り気ではない様子。しかし拓実だけは、「もしかして歌いたかったりする?」と順の気持ちに気づいていたが、順は言い出せずにいた。
そして、だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがないと、揉める仲間たち。自分のせいで揉めてしまう姿を見て順は思わず「わたしは歌うよ!」と声に出していた。
そして、発表会当日、心に閉じ込めた“伝えたかった本当の気持ち”を歌うと決めたはずの順だったが…。
水瀬いのり / 内山昂輝 / 雨宮天 / 細谷佳正 / 藤原啓治 / 吉田羊
(C)KOKOSAKE PROJECT
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除周囲の人間との距離感や愛憎、恩讐、トラウマを克服する過程が丁寧に描かれていて感度した。
襷掛けになった人間関係が、固定観念でガチガチになって未来が見えなかった人生からの解放と、不確実で意外な未来のなかには、恐怖や絶望以外に幸せも起こり得ることが示されて爽快だった。