人生の終焉を意識した主人公が、タクシーで街を巡りながら自らの壮絶な人生を回顧していく―展開は結末が容易に想像できる物語でありながら、不思議と飽きることがありませんでした。重くなりすぎず温かさと切なさのバランスがあり、ところどころクスッと笑える場面もあって、肩の力を抜いて観られました。街の景色や夜の光景も印象的で、登場人物の心情と自然に重なり、淡く余韻が広がる感じがしました。
一方で、スミレがどのように生き直してきたのか、宇佐美家のその後まで描かれていたら、さらに物語に奥行きが出た気がします。特に終盤は少しあっさりしていて、もう少し厚みがあってもよかったかなと思いました。
キムタクのタクシー運転手は彼の役としては控えめでどうなるのかなと思ったけれど、派手にならずに、これから目的地に向かう老婆を支える人になっていた。優香が妻という組み合わせも、キムタクを普通の家、普通の家族の一員にしたのかな、、と思う。
倍賞千恵子さんのほかに小林稔二さんのお姿も見れて良かった。
昭和のシーンは戦後の歴史も重なっていて、蒼井優さんに演じてもらえて良かった。
倍賞さんにも、山田監督にも、長生きして次の作品を作ってほしいと思える作品。
80歳の母と一緒に見た作品2本目。
主演の木村拓哉と倍賞千恵子のコンビは、「ハウルの動く城」で有名ですが、今回は「こんな木村拓哉さんは見たことがない!」「倍賞千恵子さんの人間性が見えた」という印象が残ってます。
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除人生の終焉を意識した主人公が、タクシーで街を巡りながら自らの壮絶な人生を回顧していく―展開は結末が容易に想像できる物語でありながら、不思議と飽きることがありませんでした。重くなりすぎず温かさと切なさのバランスがあり、ところどころクスッと笑える場面もあって、肩の力を抜いて観られました。街の景色や夜の光景も印象的で、登場人物の心情と自然に重なり、淡く余韻が広がる感じがしました。
一方で、スミレがどのように生き直してきたのか、宇佐美家のその後まで描かれていたら、さらに物語に奥行きが出た気がします。特に終盤は少しあっさりしていて、もう少し厚みがあってもよかったかなと思いました。
キムタクのタクシー運転手は彼の役としては控えめでどうなるのかなと思ったけれど、派手にならずに、これから目的地に向かう老婆を支える人になっていた。優香が妻という組み合わせも、キムタクを普通の家、普通の家族の一員にしたのかな、、と思う。
倍賞千恵子さんのほかに小林稔二さんのお姿も見れて良かった。
昭和のシーンは戦後の歴史も重なっていて、蒼井優さんに演じてもらえて良かった。
倍賞さんにも、山田監督にも、長生きして次の作品を作ってほしいと思える作品。
80歳の母と一緒に見た作品2本目。
主演の木村拓哉と倍賞千恵子のコンビは、「ハウルの動く城」で有名ですが、今回は「こんな木村拓哉さんは見たことがない!」「倍賞千恵子さんの人間性が見えた」という印象が残ってます。
木村さんファンの親が観たいと言うので一緒に観ました。正直、日常の一コマを描いた…みたいなオチのないストーリーなのでは?と期待していなかったのですが、笑いあり感動ありでとても良かったです。木村さんと倍賞さんがもしプライベートで交流があるならこんなやり取りをしているのでは?と思える自然な雰囲気が特に良かったと思います。少し大人向けのシーンがありますが、家族で見て欲しい作品です。
泣かない映画だと思って観たら、泣いてしまった!!山田洋次監督は、やっぱりすごい!!!笑いあり涙あり感動ありなのに、全体がオーバーな感じがない。久々に、蒼井優さんが、演じてるものを観たけど、引き込まれていって、すごい女優さんだと思ったし、何より倍賞さんが本当に素敵でした。
老骨に鞭を打って〔山田洋次〕の世界が再び銀幕に蘇ってきた。
葛飾柴又帝釈天から三浦半島西部の葉山までのタクシーの運転手とお客の〔ロードムービー〕映画である。
この映画の見せ場は、遺書を読む場面である。目頭が熱くなり涙が頬を伝ってしまう。
山田洋次の価値観がこの遺書に託されている。多くの人に見てもらいたい映画である。
倍賞千恵子の演技爆発、存在感がありすぎて、キムタクが普通のタクシー運転手になってしまった感じ。
予告とは裏腹に、過去の実体験が人生を振り返る物語、たった1日の振り返りで彼女の人生が垣間見ることで、時代にあがなう人生が、ラストまで流れていく。
タクシーで過ごした1日が、最後の楽しい時間になったことがなによりでした。
さすが山田洋次監督作。
映画鑑賞という短い時間で私を昭和の世界へ、あの時代の空気感の中へ連れて行ってくれた。
運転手のキムタクと同じ時間を過ごしているかの錯覚を起こしてくれた。
私の求めていた昭和の空気が確かにあった。
ありがとうございます。