2025/09/26
主人公エイタロウは33歳
非正規/契約社員ビールの営業マン(スマイルが武器)として働き妻子を養うかたわら、役者で食いたいと歯を食いしばり生きてきた。
理想主義者だが劣等感のかたまりで、学歴もキャリアもなく、現実は甘くない。 役者として勝負したいが、上京する勇気も若さも失い、自分は本当に何がしたいのか分からなくなっている。
そんな矢先、三回付き合い三回別れた初恋の女キョウコと再会し、「くすぶってんじゃない!」と痛烈な ビンタ=激励を見舞われる。
元役者で妻のサキナは 「二人目がほしい」と 家庭最優先…。
生きがいである役者と生業と家庭との はざまで苦しむエイタロウは、高校中退時 救ってくれた恩師(英語塾の先生)に久々に会いに行く。
ところが― その恩師はすでに他界していたことを知り、先生が死んだのは早く会いにいかなかったせいだ、と痛烈な自責の念に駆られる。
演じることも楽しめなくなり、役者仲間との関係も険悪に…。 一方、職場では正社員への登用を打診され朗報かと思うが、「趣味の芝居は控えて」と、唯一の生きがいを封じることを交換条件としてほのめかされる。
そんな踏んだり蹴ったりで笑顔を失ったエイタロウの前に― 恩師の娘が現れ、遺作 の実現をお願いされる。はたしてエイタロウは、破綻かくごで役者の道を突き進むのか、世間と妥協し 死んだように生きるのか―。
すったもんだの挙句、ついに中央公民館で上演となる 『 最期の弁明 / Apology of Saigo 』 (逆賊として果てる ラストサムライ西郷隆盛が 一人間として心情をかたる戯曲)は、どんな芝居となり、役者たち そして 観客たちの心に、何をもたらすのか―
德田英太郎 / 春田早希奈 / 平岡京子 / 小松蓮 / 宮内尚起 / 花牟礼宏紀 / 児玉俊和 / 青川穂美里 / 茂谷侑和 / 門間ゆきの / 宇都大作
(C)ガスコイン・エイシア