宇宙戦艦ヤマトシリーズの「2199」と「2202」の総集編ですが、ヤマト乗組員の参謀かつ兄貴分である真田志郎へのインタビューを軸にドキュメンタリー形式で進んでいきます。正直、ヤマトがガンダムやエヴァンゲリオンといった他のSFアニメと比べ、完全に中高年以上の大人しか見なくなってしまったのは残念ですが、逆に言えばヤマトが橋田壽賀子さんのドラマみたいに、大人の観賞に耐える、人間の本質を問うドラマになったとも言えます。この映画をきっかけに、もっと広い世代の人たちにヤマトを見直して欲しいです。
2021/06/11
本作は長大な『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の中でも、特別な作品となった。便宜上「総集編(特別編集版)」と呼ばれてはいるが、単なるダイジェストとはしていない。メインタイトルが象徴するように「ドキュメンタリー映画」に近い手触りを志向している。
中心を『ヤマト2202』全七章に起きつつ、随所に新作映像を加え、「ヤマトの歴史」をひとつの視点で真摯に問い直すその姿勢が斬新だ。そのときどきに起きた事象、関わった当事者たちの心情に、距離をおいて新しい光を当てることで、観客は「意味の再発見」をするだろう。時間軸は、宇宙開拓時代の原点から始まる。『ヤマト2199』の前史、イスカンダルへの旅を交えつつ、「人が宇宙に出た意義」を引いた視点で再吟味した点にも、風格がある。
見終えた後は、西暦2202年までの「宇宙戦艦ヤマト史」の凄絶さに呆然としつつ、あらためて「描かれてきたものの本質」に心を打たれるに違いない。これはさらなる新しいステップへ進むために必要な「宇宙叙事詩」としての総括なのである。
(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
この感想にはネタバレが含まれています!
ネタバレフィルター解除宇宙戦艦ヤマトシリーズの「2199」と「2202」の総集編ですが、ヤマト乗組員の参謀かつ兄貴分である真田志郎へのインタビューを軸にドキュメンタリー形式で進んでいきます。正直、ヤマトがガンダムやエヴァンゲリオンといった他のSFアニメと比べ、完全に中高年以上の大人しか見なくなってしまったのは残念ですが、逆に言えばヤマトが橋田壽賀子さんのドラマみたいに、大人の観賞に耐える、人間の本質を問うドラマになったとも言えます。この映画をきっかけに、もっと広い世代の人たちにヤマトを見直して欲しいです。
シリーズ全作を観てきた者でも「そうだったのか」と気づかされる事実が満載!福井晴敏氏の狙い通り、ただの総集編にはなってない!大塚芳忠さんの語りが素晴らしい!そして「新たなる旅立ち」が待ち遠しい!